いろいろなその後の展開がありながらも
80年代から90年代を駆け抜けた代表的デュオ、
CHAGE and ASKAの作品は、おとなにとって懐かしい青春の思い出。
そんなチャゲアスの作品をまるっと振り返ってみたい。
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01 風舞 おすすめ度 ★★★★☆
☆は「敢えて3曲挙げるなら」選曲
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1980年4月に発売のデビューアルバム。
「九州から大型台風上陸」として
期待を背負ったデビューだった。
なんと当時まだ2人とも22歳であり、
デビューシングル「ひとり咲き」
2nd「流恋情歌」の頃は21歳なので、
バリバリの学生だった時代の作品ということになる。
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ギターをむせび鳴かせながら
哀愁を帯びたイントロに引き続き、
この時代のチャゲアス特有の
「フォーク」な楽曲が並ぶ。
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ハモり部分が後のゆずを思わせる切ない感じの一方、
途中でロックな展開にもなったりと
凝った作りの2曲目「私の愛した人」に続き、
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3曲目「夢から夢へ」では
流麗なメロディが印象的だ。
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この時代の曲は香港など
アジアの歌手にカバーされている曲が多く、
アジアでの人気とともに、
そういった地域に合う
曲想が多いということだろう。
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タイトル曲の「風舞」もその一つで、
サビのメロディも含め大陸的な郷愁を感じさせる。
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チャゲ作曲の6、7曲目に続いての
8曲目「冬の夜」は
「夢から夢へ」に続く情緒溢れる楽曲だ。
飛鳥ならではの抑揚のついた
ボーカルに聞き惚れてしまう。
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「流恋情歌」に続いて
もはや語るに尽くされた
チャゲの名曲「エピローグ」で本編を終える。
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ボーナストラックとして両シングルのB面曲が揃う。
チャゲアスの原点とも言える
哀愁こもるデビューアルバム、
一聴の価値アリだ。
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オススメ楽曲を敢えて3曲挙げるなら…
10 終章(エピローグ)〜追想の主題
03 夢から夢へ
08 冬の夜
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02 熱風 おすすめ度 ★★★★☆
☆は「敢えて3曲挙げるなら」選曲
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デビューからチャゲ&飛鳥は
確実に1年に1枚以上のアルバムを発表している。
2ndアルバムは1981年2月、
先行シングル「万里の河」の
スマッシュヒットを受けて
満を持してリリース。
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風舞と同じように
インスト曲が入って全体を
まとめた構成になっている。
やはり大陸的な
フォーク色の強い楽曲が並ぶ。
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1曲目のタイトル曲「熱風」は
タイトルの如く怨念めいた
蠢きが印象的なメロディだ。
オフィシャルのyoutubeでもハモリが堪能できる。
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インストを挟んで「万里の河」へと続き、
印象に残る4曲目「この恋おいらのからまわり」。
美しい飛鳥メロディに
若者らしい蒼い歌詞がのっかった佳曲だ。
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A面のトリを飾るチャゲの2曲はいずれも印象的だが、
「花暦」はこの時代らしい
サビのメロディが印象に強烈に残り、
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「悲炎」は「熱風」の如き熱さを感じさせる。
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B面に入って最初を飾る「翼」。
フォーク色の強いアルバムの中でロック色が際立ち、
裏1曲目に相応しい。
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庶民的な「あばんぎゃるど」に続く
チャゲ・バラードの名作「嘘」はやはり素晴らしい。
曲全体でゆっくり後半の「拝啓~」に向けて
ヤマが来る構成は私個人的な好みにピッタリ合う。
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同じくロックな「荒野」から
再びピアノ旋律を聞かせる
「お・や・す・み」で本編を締める。
これまたフィニッシュに向かう部分の
飛鳥メロディが素晴らしく、
情緒を掻き立てる名曲なのだが、
個人的にはタイトルの
「・」を外してほしかったのが本音だ。
「お・や・す・み」が好き、
とはなかなか言いにくい。
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やはりボーナストラックとして
「万里の河」のカップリングが入っており、
初期のチャゲアス作品を網羅している。
シンプルなタイトルが多いがために
熱さを感じられる二作目だ。
デザインも一作目「風舞」と対になっている。
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オススメ楽曲を敢えて3曲挙げるなら…
09 嘘
04 この恋おいらのからまわり
12 お・や・す・み
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03 黄昏の騎士 おすすめ度 ★★★★☆
☆は「敢えて3曲挙げるなら」選曲
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「放浪人 (TABIBITO)」「男と女」のシングル2枚を受けて、
1982年2月にリリース。
「放浪人 (TABIBITO)」は収録されなかったが、
ボーナストラックとして収録されることになった。
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引き続き大陸的な力強い
メッセージ性のある曲が多い中、
徐々に後の「チャゲアスらしい」
楽曲の割合が増加してくる。
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1曲目のタイトル曲「黄昏の騎士」では
飛鳥のセリフが入る珍しい展開。
2曲目「南十字星」は
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「男と女」を挟んだ
「夜のジプシー」は第一印象から
跳ねるメロディが耳に残る。
詞がなく音だけだったとしても、
描かれた情景が目に浮かぶようだ。
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5曲目からはチャゲの曲が3曲続くが
硬軟取り分けてなかなか飽きさせない。
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8曲目から「瑠璃色の情景」「安息の日々」と
今度は切ない飛鳥節で聞かせる。
特に「安息の日々」のAメロから
スケール感のあるメロディラインは圧巻。
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本編最後の「愛すべきばかちんたちへ」は
同名のタイトルの本の出版もあり、
その意味でのタイアップにもなる曲だが、
牧歌的なメロディが琴線に触れる
これも名曲と呼ぶにふさわしい。
「ビー玉、メンコ、パチンコ、2B弾、銀玉鉄砲~」が
耳から離れない。
(我々の地域では「BB弾」と呼んでいたが)
そして曲中にやはりセリフが入るが、
この曲調にはよくマッチする。
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ボーナストラックとして
やはり先行シングルのカップリング2曲と
「放浪人 (TABIBITO)」が入り、
引き続き全作品網羅が可能だ。
チャゲアスが徐々にポップに移行する、
そんな瞬間を味わえるアルバムだ。
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オススメ楽曲を敢えて3曲挙げるなら…
04 夜のジプシー
09 安息の日々
10 愛すべきばかちんたちへ
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B01 1979-1982 BEST おすすめ度 ☆☆☆☆☆
1982年12月に発売されたチャゲアス初のベストセレクション。
ただし、カセットテープのみであり入手はほぼ困難。
また、全12曲のうち「風舞」から4曲、
「熱風」から3曲、「黄昏の騎士」から3曲。
残り2曲はサントラ「熱い想い」に収録と、
このアルバムでなければ聴けない曲はない。
「ひとり咲き」のライブ・バージョンと、
「南十字星」のイントロ違いがあるのみなので、
コレクターとしてもカセットデッキが現役でなければ微妙な所だろう。
ただしオリコン最高9位の売り上げを記録しており、
オークションなどで出品されている可能性はあると思われる。
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チャゲアスのあれこれプレイリスト
全作品から選んだ! チャゲアスのファン歴別名曲選 - おとなの自由研究
46分テープに入るチャゲアスベストを考える - おとなの自由研究
チャゲアスCHAGEの素敵バラード17曲 - おとなの自由研究
甘美なASKAボーカルを堪能できるチャゲアスバラード16曲 - おとなの自由研究
夏は懐かしい初期のチャゲアスロック12曲 - おとなの自由研究
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チャゲアスの隠れた名曲バックナンバー
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チャゲアスの全アルバムレビュー
⑦TURNING POINT・⑧MIX BLOOD・snow mail 他
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