大人なデュオ、CHAGE and ASKA。
いよいよ全盛期となる90年代を振り返ってみたい
.
.
14 TREE おすすめ度 ★★★★★
☆は「敢えて3曲挙げるなら」選曲
.
ダブルミリオンヒットとなった先行シングル「SAY YES」を引っ提げ
1991年10月リリース。
.
後にシングルカットされる「僕はこの瞳で嘘をつく」で始まる。
抜けるようなASKA節の冴えるロックナンバー。
2曲目に「SAY YES」と続く。
この曲はドラマタイアップなのは確かにそうだが
純粋にサビのメロディラインが素晴らしいと思う。
大ヒットでカラオケでも歌い尽くされた楽曲だが、
「感じ合おうよ」の「感じ」の音を正確に歌える人はどれくらいいるだろうか。
.
「クルミを割れた日」はアルバム発売当初から人気を博した曲。
なぜかつい「砂時計のくびれた場所」とセットで考えてしまう。
まったりしたAメロと、くっきりしたスケールのあるサビが共通点か。
.
ジャジーな路線のCHAGEの「CAT WALK」はおしゃれな雰囲気でまとまり
「夜のうちに」では打って変わってASKAの天に上るようなボーカルが
流麗なメロディに載る佳曲。
.
「MOZART VIRUS DAY」は音楽的な展開が様々で
聞いててとても楽しい気分になる。
.
「誰かさん」は1枚に1曲のCHAGEの素敵バラードだ。
80年代のチャゲアスならシングルカットされても不思議でない
ポップなAメロが印象的な「明け方の君」
CHAGEのマニアック路線の「Catch & Release」、
同じく今度はキャッチーポップ路線の「Bad News & Good News」を経て
いよいよクライマックスを迎える。
.
タイトル曲「BIG TREE」はイントロ、
Aメロからのスケール感のある
メロディ展開も然ることながら、
何といっても大サビの迫力に圧倒される。
.
最後を飾る「tomorrow」は包容力に溢れたバラードナンバーで締め括る。
.
大ヒットアルバムに相応しく
「SAY YES」からこのアルバムを聴いたライトなファンでも
きっと納得する曲がいくつかあるのではないか、
そう思わせる完成度の高いアルバムだ。
.
なお、「SAY YES」カップリングの「告白」はアルバム未収録で、
「僕はこの瞳で嘘をつく」のカップリングは本アルバムのダイジェストになる。
.
オススメ楽曲を敢えて3曲挙げるなら…
(シングル省きます)
11 BIG TREE
03 クルミを割れた日
07 誰かさん
.
B5 スーパーベスト2 おすすめ度 ★★★★☆
絶頂期にタイミングよく、「LOVE SONG」「WALK」の
シングル再販と同時に発売されたシングルベスト。
セールス的にも絶好調であったし、
個人的にも自分のお金で3枚目に買ったアルバムCDだ。
.
しかし、コレクター視点で見ると
結局、「Count Down」以外はすべて持ってるし、となる。
その意味ではライトなファンむけで、
これを基準に過去のアルバムも探訪してくれればよいよ、
そんなアルバムということになろう。
.
15 GUYS おすすめ度 ★★★★★
☆は「敢えて3曲挙げるなら」選曲
.
絶頂期を迎えたチャゲアスの
その後の展開を考える上でポイントとなる
1992年11月発売の15枚目のアルバム。
.
先行シングル「if」「no no darlin'」は
バージョン違いはあれど、カップリング含めてすべて収録されている。
.
アルバムはいきなりタイトル曲「GUYS」で始まる。
タイトル曲から始まるのは「Mr. ASIA」以来。
軽快なロックナンバーであるが、
後半では随所にサウンドの妙を聴かせるのは、
ロンドンレコーディングならでは。
.
2曲目「野いちごがゆれるように」は
なんとも大人な哀愁と言うよりどこか懐かしい、
郷愁を感じさせるナンバーで、
若い人には退屈に感じるんだろうけど、
中年になって改めて聞くと染みます。
.
シングル版よりしっとり感を増した「if」は、
2曲目の雰囲気を引き継いでいる。
.
是非ASKAの叫びのような
シングル版と聴き比べていただきたい。
.
ここからアルバムは、おしゃれサウンド方向にシフトする。
CHAGEのしっとりバラード「光と影」は
後の「Ying & Yang」の事実上のタイトル曲としてしっとり聴かせる。
ブラスセクションが印象的な「HANG UP THE PHONE」は
やはり後に「UNPLAGGED LIVE」でより洗練されて演奏される。
.
ロンドンのチャイナタウンを唄う「だから...」に
ASKAの嘆きのようなバラード「WHY」が続く。
.
「今日は...こんなに元気です」は
「風舞」の「エピローグ」から始まる、
1枚に1曲の素敵CHAGEバラード。
何かで書いてる人がいたが、本当それを実感させる。
.
ここまでの中盤のおしゃれサウンドを
それも夢さ、と叫ぶような「夢」を挟んで、
CHAGEのカッコいいイケイケのロック「CRIMSON」と続く。
中学時代のチャゲアスコレクターの友人が
どうしても好きになれなかった曲だが、
個人的には密かに壮快で気に入っていた曲だった。
.
さすがシングル曲とも言える「no no darlin'」は
流麗なメロディラインのAメロから、
すぐにサビにつながるのも印象的だが、
なんといっても大サビ部分が圧巻のスケールだ。
サビのメロディがワンコーラス目と
大サビ後では全然異なって聞こえるのもよい。
.
最後を飾る「世界にMerry X'mas」は、
AメロからいきなりASKAらしいコブシが効いており、
初めて聞いたときは思わずにやけてしまった。
.
それでも美しいメロディラインが続き、
最後は恐らくロンドンの子供たちの合唱で締める。
合唱部分のレコーディング直後の様子もそのまま録音されており、
たぶんCHAGEが「終わり?」と尋ねたこどもに言った、
「finish, finish」という言葉もなんだかあたたかい。
決して口ずさみやすい曲ではないが、
クリスマス時期に高尚な気分になれるような、
そんな楽曲で本アルバムを象徴している。
.
大ヒットアルバムのその次回作、というプレッシャーも感じさせない
より円熟味を増した大人なアルバム。
なかなか中学時代には理解しきれなかった部分も多いので
持ってはいるがずっと本棚に眠ってるような人は、
40代くらいになったらもう一度聴いてみて欲しい。
.
オススメ楽曲を敢えて3曲挙げるなら…
(シングル省きます)
08 今日は...こんなに元気です
02 野いちごがゆれるように
11 世界にMerry X'mas
.
.
チャゲアス隠れた名曲バックナンバー
.
.
チャゲアス全アルバムレビュー バックナンバー
.