おとなの女性アーティスト、辛島美登里。
アニメソング中心の状況から、
いよいよメジャーデビューとなる頃の作品を
ここからは1つずつ振り返ってみよう。
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01 Gently おすすめ度
★★★★★
②想い出のVacation☆
③Mist Away
④赤わいん
⑤気をつけて
⑥Upturn Girl
⑦Ring Ring
⑧黄昏を追い抜いて☆(シングル)
⑨最後の手紙☆(カップリング)
⑩人魚伝説
☆は「敢えて3曲挙げるなら」選曲
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1989年6月にシングル「時間旅行」、
c/w「最後の手紙」でデビューし、
さっそく7月に発売されたメジャーデビューアルバム。
後に「黄昏を追い抜いて」がシングルカットされる。
このc/w「輝きの瞬間」はアルバム未収録曲だが、
丸善建設のCMソングであることもあり、
しかるべき超有名動画サイトで、
2021年12月現在は部分的に視聴可能だ。
後のベスト盤「HELLO GOOD-BYE」にも収録されている。
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アルバムはデビューシングル「時間旅行」で幕開け。
ミドルテンポの耳馴染みよいエンドレスメロディ。
色をつけるなら黄色いポップソング。
歌い出しからいきなりオクターブジャンプのAメロで始まるので、
カラオケなどで歌う場合には緊張が走りそうだ。
Bメロは井上陽水の「夢の中へ」を
なぜか思い出してしまう。
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疾走感のある「想い出のVacation」は
Bメロの音階の飛び部分に半音ずつ下がっていく展開を
難なく歌いこなしてるのがポイントで、
そこが耳に心地よい佳曲。
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この時代らしい「Mist Away」は
夜中のドライブ音楽を思い起こさせる、
同じくバブル時代のキーワード「赤わいん」では、
おとぎ話のようなメロディ展開のAメロがインパクトありだ。
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「気をつけて」はさりげない優しいメロディが印象的なバラード。
今後の私の思う辛島美登里らしい曲、ということになるかも。
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ビリー・ジョエルの「UPTOWN GIRL」を若干もじったような
「Upturn Girl」ではポップソングも軽快に歌いこなす美登里さんが、
やはり締め部分でオクターヴジャンプの連続技を決める。
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今やもう昔のものとなった電話の音を
効果的に使用した「Ring Ring」は
ウキウキ弾むような懐かしい雰囲気のポップソング。
カラフルな色使いがやはり耳に心地よい。
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ここでシングルカットされる「黄昏を追い抜いて」。
辛島美登里の得意ジャンルの曲かもしれないが、
短調で突っ走るサビが癖になる。
また、Bメロに前半と後半があり、
Bメロ後半の展開はなかなかトリッキーである。
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一転して、ピアノバラード「最後の手紙」では、
さすがの歌唱力を見せつける。
メロディは一音一音を大事にした構成で
聴くものの耳を惹き付ける。
個人的にはエレピではなく、
アコピで弾き語って欲しかった。
後のベスト盤ではそこはきちんと
修正されている。
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最後を飾る「人魚伝説」はスケール感のあるメロディで、
包容力を持ってアルバムをまとめている。
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全10曲というアルバムとして潔い構成。
正統派シンガーソングライターとしてのデビューアルバムとして
存在感を放つアルバムだ。
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おすすめ楽曲を敢えて3曲挙げるなら...
09 最後の手紙
02 想い出のVacation
08 黄昏を追い抜いて
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