おとなの青春時代の興奮、谷村有美。
デビューから2作目のアルバムを振り返ってみよう。
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02 Face おすすめ度 ★★★★☆
☆は「敢えて3曲挙げるなら」選曲
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1988年6月にシングル「ガラスの午前4時」をリリース
(カップリングは「生まれたての朝」)
同年9月にリリースの2ndアルバム。
本人の作曲は4曲に増えた。
次回作に含まれるシングル曲のカップリングとして
「朝は朝嘘は嘘」「Tonight」がチョイスされる、
渋い楽曲満載な隠れた名盤だ。
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冒頭曲「生まれたての朝 〜Brand New Sunshine〜」 は
ポップな展開の佳曲で後のベスト盤にも選曲される。
サビのメロディが特徴的な進行をするが、
有美さんのボーカルでまろやかな印象になり、
アップテンポの割にしっとりしている。
2コーラス後の英語でのスキャット部分も
耳馴染みよく心地よいので何度もリピートしてしまう楽曲だ。
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続く「すべてわがまま」は提供してもらった曲だが、
本人の持ち曲として申し分ないような
高音ロングトーンが曲の締めで聞かれる。
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80年代ロックな「ガラスの午前4時」 は本人自作のシングル。
勢いのある演奏は若さの象徴ですね。
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ファン人気の高い「朝は朝 嘘は嘘」も、
サビの後半で高音部分があり、
これもこの声ならではの楽しみだ。
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本作のハイライトといってもよい
自作曲「Tonight」 は、
もうずっと永遠に聴いていたいようなバラード。
出だしのピアノから非常にしっくり胸に入ってくる。
曲の最後は有美さんのロングトーンが、
サキソフォンの音に入れ替わると言う技も見せる。
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郷愁感のある「かもめのように」 も
「すべてわがまま」のようなホッとする雰囲気の楽曲。
なんだか家に帰るような、そんな感覚。
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一時期は有美さんのライブタイトル曲として君臨した「FEEL ME」も
ライブで映えること請け合いの
爽やかなメロディアスなロック。
この声で展開すると不思議と、
なんでこんなに安心感を持って聴けるんだろう。
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森山直太朗ではない「夏の終り」 は
さりげない雰囲気のメロディでしっとり。
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最後の「恋をしなさい」 はこれからのタニムラ世界を彷彿とさせる
ピアノクラシカルなバラード。
「もう恋は。」あたりにバトンタッチされる短調系で締める。
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9曲入りと少なめながら、
代表的名曲と、ベスト盤に入らない隠れた名曲が同居しており、
入手しておきたいアルバムだ。
谷村作曲も4曲に増えていることで、
アイドルではなくシンガーソングライター路線を
堅実なものにした作品と言える。
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おすすめ楽曲を敢えて3曲挙げるなら...
05 Tonight
02 すべてわがまま
07 Feel Me
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