おとなの望郷の憧憬、L⇔R。
リードの黒沢健一のソロ2作目のアルバム「B」を
振り返ってみよう。
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02 B おすすめ度 ★★★★☆
②スピードを上げてく
③トーキング・ブルース
④バラード
⑤遠くまで
⑥スリー・コード
⑦What You Want
⑧Good To Me
⑨Do-Bee-Doo
⑩視点
⑪どこかにある場所
☆は「敢えて3曲挙げるなら」選曲
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1999年にドラマ挿入歌でバラードシングル「This Song」
(カップリングは「Free Bird」)をリリース。
それをまったく無視するようにシングル曲を含まず、
2001年21世紀になりリリースされた2作目。
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なお「This Song」は魂のこもったバラードで聞き惚れてしまう楽曲で
もしL⇔Rファンで聴きそびれていた方がいたら
是非チェックしておきたい楽曲だ。
おそらくアルバム全体のバランスで外れてしまったのだろう。
なお、最新版「B」にはボーナストラックとして
シングル、カップリングとも収録されており安心だ。
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本編冒頭、さりげなく始まる「リトル・ソング」で幕開け。
メロディアスでソウルフルな小品。
終わり方も臨時記号フックですっと終わるのも潔くてよい。
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シングル曲のような存在感の2曲目「スピードを上げてく」で
アルバムに入り込むスピードも上がっていく。
ABAタイプのエンドレスメロディに、
やはり臨時記号フックが効いて老獪だ。
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爽快なロックンロール調で始まる「トーキング・ブルース」も
サイケな雰囲気すらも感じさせるのは初回アルバム同様。
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タイトル通りにゆったりテンポの「バラード」は
どちらかというとミドルテンポのポップソングで、
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ヘビーなサウンドの「遠くまで」も
メロディはミディアムで進行し落ち着いて聴ける。
出だしの臨時記号がまたよい。
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「スリー・コード」はタイトル通りの出だしで、
L⇔Rの名曲「Land of Riches」を思い起こさせるメロディだ。
展開部は決してスリーコードのみの楽曲ではない。
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再びヘビーなギターが唸る「What You Want」は
中間部でタイトルが和訳され印象付ける。
相当長い間奏部が印象に残る。
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後半にかけて音がどんどん積み重なる
サビのキラリと輝くフレーズが扇情的な「Good To Me」と合わせて
アルバム後半を格好よく彩る。
フェードアウトが実に早いのも計算だろう。
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「Do-Bee-Doo」は懐かしい雰囲気の肩肘張らないポップソングで、
本作でもっとも印象に残りやすく、
売れ線楽曲とも言えるだろう。
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ミドルテンポで進行する「視点」のメロディラインも
実に個性的な展開を持つ。
展開の仕方が聴き込むほどに味を感じる楽曲だ。
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最後の「どこかにある場所」は
タイトル的にバラードのようでありながら、
決してそうでない短調ミドルポップ。
ところがサビで展開をガラッと変え、
最終曲らしいメロディラインとなる。
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キャッチーな楽曲が多かった「First」に比べると
ソロらしいマニアックな楽曲が多めだが、
黒沢健一のポップセンスを随所に感じ、
聴き込むごとに味が出てくるスルメアルバム。
アルバムとしてもよくまとまった作品だ。
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おすすめ楽曲を敢えて3曲挙げるなら...
09 Do-Bee-Doo
02 スピードを上げてく
01 リトル•ソング
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