おとなの青春メゾネット、谷村有美。
平成の世になり、CDデッキが世の中一般的になった
超積極的リリースラッシュとなった1991年の作品を振り返ってみよう。
.
05 愛は元気です。 おすすめ度 ★★★★★
02 走れ! パンプス(西脇辰弥作曲)
03 消せない想い(西脇辰弥作曲)
04 友達☆(シングル・西脇辰弥作曲)
05 OH MY GOD!!(カップリング)
06 Pajama Days(西脇辰弥作曲)
07 パレード・パレード
(シングル・西脇辰弥作曲)
08 どうでもいいの(カップリング)
09 生まれかわる気持ち☆
(西脇辰弥作曲)
10 今が好き(伊秩弘将作曲)
☆は敢えて3曲選ぶなら、の選出曲。
.
前作リリースから半年もせずに
1990年9月にシングル「パレード・パレード」をリリース。
カップリングは「バーボン・ストリート」でアルバム未収録曲だが、
A面曲の歌詞違いだ。
.
2ヶ月後の11月にシングル「友達」、
カップリングは前作収録の「BLUEじゃいられない」をリリース。
年が明けて1991年4月にシングル「幸せ探して」が出て、
(こちらはアルバム未収録だがベスト盤「with」に収録、
カップリングは本作収録の「どうでもいいの」)
.
同年5月にリリースした第5作目のアルバム。
レコードからCD移行期だったのもあって
とんでもないリリースラッシュアワーのアダムとイブだ。
3曲が谷村有美作曲で、6曲が西脇辰弥氏作曲という構成で、
アイドルチックなタニムラの最後のアルバムとなる。
.
タイトル曲「愛は元気です。」 はある意味、
谷村有美の魅力のすべてが詰まった楽曲だ。
落ち着いた曲想に、動物の鳴き声を模したコーラスアレンジで
とにかく聴き心地が大変よい。
後半のコーラス全開となる部分は圧巻で
クリスタルボイスだからこその清涼感を堪能できる。
.
なお「愛は元気です。」 発表が1990年5月だが、
1990年7月に発表になるのが「愛は勝つ」を含むKANのアルバム「野球選手が夢だった。」となる。
すでに2人が共通の番組で仲が良かった頃なので、
楽曲タイトルのニュアンスと、アルバムタイトルの「。」締めは、
偶然なのか、敢えてなのか、勘ぐってしまう。
.
続く「走れ! パンプス」から西脇辰弥氏の楽曲が続く。
バブリーな時代を思わせるタイトルと歌詞、曲想、アレンジだ。
ド派手なブラスセクションも聴き応えがある。
.
「消せない想い」も同様のテンションで展開する楽曲で、
半アイドル的なタニムラをイメージしながらになる。
楽曲的にはAOR的な展開でハマる人にはハマりそうだ。
例えばシング・ライク・トーキングの佐藤竹善が歌っててもメロディはしっくり来そうだ。
.
落ち着いたピアノメインで聴かせる「友達」 は箸休め的ながら、
メロディアスなサビの曲想がボーカルにマッチして
思わず聴き惚れてしまう楽曲だ。
締めのメロディのさりげなさが曲を引き締めている。
ストリングスにコーラスラインも被せたアレンジも光る。
.
一転元気な再びアイドル感はありながらも、
実は本人の作曲「OH MY GOD!!」は
盛りだくさんのサウンドの妙を見せる。
.
なんだか学生の頃に異性の部屋に入った気持ちを思い出す「Pajama Days」 は
キャロル・キングテイストの前半が、
たのしいだけでない、どことなく郷愁感を感じさせてよい。
.
シングル曲「パレード・パレード」 は
とてもキャッチーなメロディに体をゆだねやすいポップ曲。
声質やコーラスの雰囲気もあって、
元気なだけの楽曲というより、
やっぱりどこか清涼感がある仕上がりになっている。
.
本人作曲の「どうでもいいの」は
サビのメロディとそれに乗せた歌詞が絶妙で、
これまたクリスタルボイスで歌われると
主人公を何とかしてあげたい気持ちになること請け合いだ。
ブラスアレンジ、後半のコーラス部分も聴きどころだ。
.
アルバムに1曲は入るとっておきバラードとなる「生まれかわる気持ち」は
イントロ、Aメロから王道で展開していく。
Bメロからサビのメロディへの進行が圧巻で
有美さんのボーカルにベストマッチする。
マニアな言い方では「今わかる」の「か」が良い。
.
実は本人作曲ではないのだが、
思わずそう錯覚してしまう雰囲気だ。
大サビ部分もスケール感のあるメロディだが、
声量たっぷりに歌うよりも
か細い感じのボーカルがまたよい。
ぬるめの燗がよいのと同じ理屈か。
.
最後を飾る「今が好き」は歌詞の内容的にも
アルバムの締めにピッタリで1枚聴き終えた時の
ポジティブマインドの醸成に1役かっている。
.
何せ「どうでもいいの」と思ってたのが、
気持ちが「生まれ変わって」「今が好き」なんだから。
比較的アップテンポの楽曲ながら、
サビで展開をガラッと変えてくるのが良い。
曲後半には「素直」という次回作へのキーワードも登場する。
.
秀作楽曲を含む様々な曲想の楽曲がつまっていて、
聴き飽きない名作アルバムと言える。
半アイドル谷村有美の最後の作品だ。
短い楽曲が多いのであっという間に10曲聴けちゃうのも良い。
.
おすすめ楽曲を敢えて3曲挙げるなら...
01 愛は元気です。
09 生まれかわる気持ち
04 友達
.
B1 with おすすめ度 ★★★★★
(Retake Version)(大村雅朗作曲)
02 がんばれブロークン・ハート
(西脇辰弥作曲)
03 Not For Sale
04 ボンネットに太陽
05 生まれたての朝 〜Brand New Sunshine〜
06 Tonight
07 BOY FRIEND
08 明日の恋に投げKISS
09 朝は朝 嘘は嘘(西脇辰弥作曲)
10 幸せ探して(遠藤京子作曲)
11 永遠のはじまり
.
5月のアルバム発表後、6月にまたまたシングル「21世紀の恋人」をリリース。
ご存知、アニメ「21エモン」の主題歌となった。
カップリングは前作収録曲だ。
そして11月に先行シングル「永遠のはじまり」を経て
(カップリングは「サンタをむかえに行く夜」)
同月リリースの初めてのベスト盤だ。
.
冒頭「ためいき色のタペストリー」はアレンジ違いで、
より弾き語りっぽくなった。
サビのコーラスも谷村有美さんの多重録音のような分厚さで
聴き応えのあるアレンジ。
ライブでは前半弾き語りで中盤以後ハンドマイクで歌う形式でしたね。
.
これを含めて前半9曲はアーリータニムラの名作が続き、
後半2曲はこのベスト盤だけに収録作品。
.
「幸せ探して」は安定感ポップな佳曲。
サビ部分の合いの手のようなサウンドが癖になります。
.
「永遠のはじまり」は自作曲で落ち着いた雰囲気のバラードで
これまでのシングルとは一線を画す。
今後の谷村有美活動が変わる呼びかけのような一曲だ。
.
S1 WHITE SONGS おすすめ度 ★★★★★
(西脇辰弥作曲)
02 サンタをむかえに行く夜
(カップリング)
03 21世紀の恋人
(シングル・柴矢俊彦作曲)
04 あなたのことを思い出した〜
エピローグ「おやすみなさい」
(西脇辰弥作曲)
.
1991年リリースラッシュのフィニッシュとして
ベスト盤発表翌月にクリスマスアルバムを発表。
ファンにはたまらない畳み掛け攻撃だった。
.
クリスマスらしいオーケストラのインストに導かれ、
「X'mas Smile」はわかりやすいポップソングで
明るめのクリスマスソングらしい華やかさで、
声質によく合っている佳曲だ。
.
「サンタをむかえに行く夜」はカップリング曲ながら
自身作曲の存在感溢れるこれもまた佳曲だ。
出だしのメロディと声質がとても合っているし、
畳み掛けるようなサビメロはもう中毒になり、
2コーラス締めのか細いハイトーンボイスで胸を掴まれる。
.
「21世紀の恋人」もアニメソングらしいキャッチーさがあり、
大変覚えやすい楽曲だ。
メロディのポップさが秀逸で、コーラスの「アーイヤーイヤー」がとても心地良い。
.
自身作曲の「あなたのことを思い出した」は
一転大人びた楽曲で将来のタニムラ楽曲に繋がる位置付けか。
西脇氏の小品「おやすみなさい」に繋がり、
オーケストレーションで統一感を持って
ミニアルバムを締める。
この小品曲にもタニムラのボーカルの魅力が詰まっていますよね。
.
そんなわけでこのクリスマスアルバムは
佳作曲が多く、入手困難なのもあり、大変貴重な作品だ。
中古屋で見つけたら即買いすべきだろう。
.



