おとなの青春への登竜門、谷村有美。
シンガーソングライターとして一本立ちした谷村有美の
勢いを感じる1994年から95年の作品を見てみよう。
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B2 With II おすすめ度 ★★★★★
2. いちばん大好きだった
3. 一緒に暮らそう
4. パレード・パレード
5. ひとつぶの涙
6. 6月の雨
7. 友達
8. ときめきをBelieve
9. たいくつな午後
10. 今が好き
11. 最後のKISS
12. しあわせの涙(シングル)
13. 今夜あなたにフラれたい
(シングル)
14. 愛する勇気
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1993年11月のシングル「SOMEBODY LOVES YOU」から
1994年5月のシングル「しあわせの涙」
(カップリング「元気だしてよ」)をリリース。
カンマ詰めずに7月にシングル「今夜あなたにフラれたい」
(カップリングは「彼女のフィアンセ」)を立て続けリリース。
なんだなんだと思わせながら、
1994年8月リリースの2作目のベスト盤だ。
4枚目アルバム「PRISM」から7枚目「愛する人へ」の4枚のアルバムからセレクトされ、
先行シングル2作と新曲「元気だしてよ」を含んでいる。
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「元気だしてよ」 はアンダンテなテンポで
陽気に展開するポップソングで
サビ部分と呼応するようなブラスのフレーズの絡みが秀逸だ。
いつものほっこりコーラスも健在な
ベスト盤でしか聴けないとっておきソングと言えよう。
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ここから10曲は自信のセレクトと言える楽曲が並ぶ。
先行シングル 「しあわせの涙」 は速いテンポで展開する
わかりやすい楽曲だが
サビ直前のフィル部分が巧妙で
思わずピアノでどんな音か試してみたくなること請け合いだ。
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やはり先行シングル 「今夜あなたにフラれたい」は
短調展開の80年代な楽曲。
サビ部分のタイトルフレーズの後の
短時間のブレスの味があるよね、と
ラジオのリスナーの母がコメントしていたと記憶している。
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最後はラジオ番組のように「愛する勇気」で締める。
いわゆる全盛期と言える時期のベスト盤。
コレクターでもこの3曲をゲットするために入手しておきたいだろう。
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08 幸福の場所 おすすめ度 ★★★★★
2.彼女のフィアンセ☆
3.恋に落ちた(カップリング)
4.あしたの私に会いたくて(シングル)
5.雪の扉
6.あなたに愛を(カップリング)
7.瞬きの数ほどの偶然
8.はじめの一歩
9.午前0時のオアシス☆
10.ずっと忘れない☆
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さらに1994年11月に年内3作目のシングル
「あしたの私に会いたくて」(カップリング「あなたに愛を」)発表。
そして締めに1994年12月リリースとなる8作目。
1995年2月発表のシングル「信じるものに救われる」に
「恋に落ちた」がカップリングとなる。
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冒頭曲「甘いWAVE」はタイトルよろしく
恋の気持ちの始まりのポヤンとした雰囲気を
上手に表現した楽曲。
サビのメロディは臨時記号の嵐で、
KANの「TOKYOMAN」とか「月海」のような形式。
そしてメロディの着地点はオサレで、
北欧ポップのようにも感じられる。
アルバムの世界にフワッと入れる楽曲だ。
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続く「彼女のフィアンセ」はポップな展開で
サビのメロディが声質と融合してグイグイ琴線に迫る佳曲。
1曲目がモワンとした淡い赤としたら、
思いっきり黄色の楽曲なので、多分男性が好きな楽曲だろう。
正直、この楽曲を聴いた段階までで、
このアルバム買ってよかったなって思えた中坊時代。
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「恋に落ちた」は当時の「Act Against AIDS」キャンペーンで作られた楽曲で、
その背景を考慮して聴くと涙無しには聴けない。
イントロから魂の叫びのように歌われるので、
初聴でもおおっ、となりやすいのではないか。
辛島美登里の「愛すること」のようなわかりやすさと、
主張感の強いメロディで、このアルバムのハイライト楽曲の一つだ。
勝手なイメージカラーは間違いなく暗めの青。
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一転、紫色のイメージで怪しげジャジーな
シングル「あしたの私に会いたくて」も
タニムラらしいと言えばタニムラらしい、
ジャズとポップのフュージョン系の楽曲。
癖になる時は癖になって頭から離れない。
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ミドルバラード「雪の扉」は落ち着いた雰囲気で、
ファン人気も高く、新生「WHITE SONGS」に急遽セレクトされた。
サビのリフレインが耳に残りやすく、
ボーカル声質もあって癒される佳曲だ。
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またしてもタニムラ流フュージョンな「あなたに愛を」。
「あしたの私に会いたくて」のカップリングなので、
2曲とも同系のなんともマニアックなシングルCDであった。
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「瞬きの数ほどの偶然」は「ガラスの午前4時」や「2人はいきなり」のような
半アイドル時代の楽曲のようなライブで映えるロックだ。
このアルバムの中では少々異色で斬新に映る。
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「はじめの一歩」は曲のテンションこそ違うが
前作の「好きこそものの上手なれ」の系譜になるか。
歌詞にはおそらく意識的に「最後のkiss」というワードがある。
Aメロのテンションはエルトン・ジョンの「two rooms at the end of the world」ぽくもある。
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「午前0時のオアシス」は本作品では貴重な
「docile」に収録されてそうなタニムラポップ。
イントロのコーラスフレーズから癒され、
Bメロからサビにかけてのメロディ展開も素敵で、
特に2コーラス目の同部位のセリフ装飾も素晴らしい。
ちょうど「愛は元気です。」頃のような雰囲気だ。
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最後を飾る「ずっと忘れない」 は
しっとりしたピアノ弾き語り調から
徐々に盛り上がっていき、
最後のワンフレーズに賭ける展開が圧巻だ。
短編ながらインパクトあり、最後に魅せる。
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少々好みが別れそうな楽曲はあるものの、
前半の楽曲と締めの数曲の満足感はあり、
アルバム全体の印象がよい作品だ。
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おすすめ楽曲を敢えて3曲挙げるなら...
10 ずっと忘れない
02 彼女のフィアンセ
09 午前0時のオアシス
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