おとなな伝説のバンド、L⇔R。
世に認知され、期待を背負った中、
L⇔Rとしての最終アルバムを振り返ってみよう。
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07 doubt おすすめ度 ★★★★★
☆は「敢えて3曲挙げるなら」選曲
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1996年1月の前作の「GAME」シングルカット後、
続けざまに6月にシングル「NICE TO MEET YOU」をリリース。
(c/wは「I wish」と「GAME」ライブバージョン)
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さらに1997年2月になるとシングル「アイネ・クライネ・ナハト・ミュージック」
(c/wは「そんな気分じゃない」)
3月にはさらにシングル「STAND」(c/w「STRANDED」)を経て
4月にリリースされた7枚目のアルバム。
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冒頭曲はカップリングから始まる木下氏の「STRANDED」。
いきなりヘビーなギターサウンドから始まるが
黒沢健一のボーカルが聴こえるとホッとする。
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サクッとカセットテープを入れかえるように、
シングル「NICE TO MEET YOU」に続く。
ビールのCMソングだったサビメロは
爽快感に溢れており、シングルにピッタリだ。
そこに繋ぐAメロは独特の混沌感あり、
Bメロなしのスピード感。
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続くのもシングル「アイネ・クライネ・ナハト・ミュージック」。
タイトル通りの短楽曲で、
間奏もほとんどなく2コーラス突っ走り、リフレインなく後奏なく終わるので
カラオケで選曲すると歌ってる方は気持ちいいのに
聴いてる方も不思議な展開の曲構成でかつ一瞬で終わるので
喜ばれる可能性もある。
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ここからいよいよアルバムとして
未発表曲に入る。
「First step」はミドルテンポのメロディアスポップだ。
L⇔Rらしいフックも利いた複雑なのに
キャッチーなサビのメロディも秀逸な佳曲だ。
歌うとすべて裏拍で進行するのも加わりさらに難易度も高い。
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サビでフランクに展開する構成が面白いこれまた佳曲と言える。
スキャットも加わりまたしても歌うと休み場所がない楽曲。
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木下氏の「雲」はメロディラインが突き抜けており
青天を見上げながら聴くのに最高に気持ちいい楽曲だ。
ちなみにこの曲がアルバム半分の6曲目だが
46分テープでもここまで片面で余裕で収録でき
なお3分くらい余るという密度の濃さだ。
テープによっては7曲目も4分くらいなので収録可能だ。
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秀樹氏の「FLYING」はタイトル通り
フワフワした構成で、サビのメロディがやはり爽快だ。
秀樹氏の優しいボーカルとマッチする。
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再び木下氏の「僕は君から離れてくだけ」は
グルーヴ感たっぷりでスカッとさせる。
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ここから健一氏作曲ゾーンに戻る。
「ブルーを撃ち抜いて」はクラシカルに始まる
悲しげなポップソングで、
サビのメロディと歌詞が融合して
学生時代にドハマりした楽曲。
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一転「直線サイクリング」は名前の通りに
突き抜ける爽快感がたまらない展開で
楽曲配置に緩急の妙を感じさせる。
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秀樹氏の「そんな気分じゃない」は
このアルバム唯一の5分超の楽曲。
サビのメロディの急展開が老獪で
そうきたか、と唸らせる。
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最後は安定感ある先行シングル「STAND」。
結局L⇔Rとしての最終楽曲になってしまったが、
キャッチーそうなのに巧妙なサビメロ、
複雑なアレンジとスピード感ある構成で飽きさせず、
そしてくどくなく胃もたれしない。
L⇔Rの魅力が3分ちょっとに凝縮されていると言える。
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いかがでしょうか。シングル3曲があり、
それ以外に秀作が少なくとも5曲はある、
それでいてアルバム全体を一気に聴けちゃう気軽さで、
そういえばバラードに属する曲はないものの、
おすすめアルバムと言えよう。
そういえばタイトルが初めて
L⇔Rを頭文字のタイトルではなくなっていた。
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おすすめ楽曲を敢えて3曲挙げるなら...(シングル省きます)
06 雲
10 直線サイクリング
09 ブルーを撃ち抜いて
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L1 LIVE RECORDINGS 1994-1997 おすすめ度 ★★★★★
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その後、1997年のうちに初期のアルバムの再編「L+R」をリリースし、
1997年9月にリリースの唯一のライブ盤。
CD4枚組のお得構成で、L⇔Rのライブの爽快感が味わえる、
貴重なパッキングだ。
選曲もL⇔Rベストセレクションとも言えるので入手したい。
4枚組だが1枚収録は短めなので、
一枚が一気に聞ける反面、当時流行ったCDチェンジャーがないと、
割りと続けて聴きにくいのはある。
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B2 Singles & more vol.2 おすすめ度 ★★★★☆
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1997年12月発売された2枚目のベストアルバムだ。
前のベストと同様にバージョン違いは2曲あれど、
(「DAYS」「僕は電話をかけない」)
完全な新曲はないため、ライトなファンと
スーパーコアなファン向けだ。
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B3 Last Roll - 11Years Of L⇔R おすすめ度 ★★★★☆
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B4 Looking Back - 11 years of L⇔R おすすめ度 ★★★★☆
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2002年に相次いで発売されるオールタイムベストだ。
シングル曲中心のライトファン向けの「Last Roll」と
アルバム曲中心の少しマニア向けの「Looking Back」。
ただし、やはり新曲は収録されていない。
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B5 B-side to sea side おすすめ度 ★★★★★
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2014年4月発表されたアルバム未収録のカップリング集。
どうしてもシングルCDは廃盤になりがちなので、
L⇔Rコンプリートしたいファンにはうってつけの作品だ。
「Good Morning Tonight」や「I wish」「夜を撃ち抜こう」が堪能できる。
ただし「BOTH SIDES NOW」と四姉妹物語の「DREAM ON」は未収録なので注意。
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ざっくり笑ってLAUGH SO ROUGH~L⇔Rを集める② - おとなの自由研究
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