おとなな女性シンガーソングライター、辛島美登里。
いよいよ自身最大の代表曲を含む
3rdアルバムのレビューとなる。
このアルバムはそれだけでなくシングル4曲を含んでおり、
カップリングにも佳曲があり、
まさに湯水のようによい楽曲を
産み出した1991年を見てみよう。
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03 GREEN おすすめ度 ★★★★★
☆は「敢えて3曲挙げるなら」選曲
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1990年9月にシングル「笑顔を探して」
同年11月にシングル「サイレン卜・イヴ」をリリース。
これが大衆の目に止まり、
1991年2月発売でオリコンチャート1位獲得したアルバムだ。
同日にシングル「夢の中で」(c/w裸足のエリーゼ)、
さらに6月に「オリーブの休日」(c/w恋はシャッフル)と
合計4枚のシングルを含む。
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これらのカップリング曲のうち、
「笑顔を探して」のカップリング「夢をつないで」と、
「サイレント・イヴ」のカップリングの
「Merry Christmas to you」はアルバム未収録曲だ。
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1曲目「夢の中で」は爽やかな
90年代の極彩色ポップで幕開けだ。
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続く「オリーブの休日」も楽しい休日の朝のイメージで
映画の中の世界へ誘うようなBメロが印象的だ。
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「笑顔を探して」はアニメYAWARAでおなじみのエンディングテーマ。
前半の怪しげな雰囲気からサビの爽やかな展開は
これぞ辛島美登里な佳曲。
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「恋はシャッフル」はアルバムの中で存在感が際立つ。
ポップなメロディなのに少し哀愁じみて
やっぱりこの時代の曲は好きだな~。
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そして辛島美登里の代名詞「サイレント・イヴ」だ。
やっぱりバランスが完璧なんですよ。
サビのメロディとコード進行もさることながら
ピアノのイントロと美登里さんの出だしのボーカルの切なさと高音への「抜け」、
1コーラス後の雪の描写のような間奏、
それ以外は変に仰々しくなくあっさり終わるエンディング。
やっぱり代表曲だな、って感じ。
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続く「Farewell」も間奏がクリスマスな雰囲気もある
切ない三連ナンバー。
「一番みじかいKiss」は「ツバメ」路線の
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一転して落ち着いたバラード「涙のリフレイン」では
嘆きのようなサビのメロディが印象的で、
それをまとめるエンディングメロディという
「オリビアを聴きながら」的な私のとっても好きな構成。
密かにBメロの包容感ある部分も好き。
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「ネコの目」もしっとりメロディを聴かせ、
「裸足のエリーゼ」もやはりピアノ四分打ち系バラード。
いわゆるエンドレスメロディで
裸足のエリーゼが歌詞に出てくる途中の展開部は
ミュージカルのような雰囲気もある。
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アルバム自体もシングル曲で固めた前半はもちろん
後半の曲もどれも名曲揃いの名盤だ。
さて、そこでカップリングで未収録の2曲だ。
「夢をつないで」はBGMになりそうな前奏から
AORな雰囲気のサビへの展開、と
これはこれで立派な佳曲だ。
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そして「Merry Christmas to you」は展開やサビのメロディ構成共に
これぞクリスマスソングという出来映え。
永井真理子らとのコンピバージョンもよいが、
美登里さん単独バージョンが
透明感が際立っている。
公式youtubeではオケバージョンもあり
とっても素敵だ。
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そしてこの曲が「サイレント・イヴ」のカップリングという
なんと贅沢なシングルだろうか。
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是非、「夢をつないで」「Merry Christmas to you」も含めた
完全版GREENのリリースを期待したい。
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なお、「Merry Christmas to you」を含む
「Silent Night -祈り-」「星空のクリスマスパーティ」という
辛島美登里オリジナルソングも収録されており、
これらも要注目だ。
「Silent Night -祈り-」はバッハ平均律調のピアノが前面に出た
やはりしっとりバラード。
「星空のクリスマスパーティ」は一転ポップな佳曲。
サビのメロディは初めて聴くのに懐かしい感じで
間奏も華やかなパーティの様子が表現されている。
これも辛島美登里な世界観な楽曲ということになろう。
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おすすめ楽曲を敢えて3曲挙げるなら...
(シングル省きます)
08 涙のリフレイン
04 恋はシャッフル
07 一番みじかいKiss
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