おとなな女性シンガーソングライター、辛島美登里。
大ヒットとなった「サイレント・イヴ」を受けて
世の中も音楽CDブームとなる
1992年頃の作品を振り返ってみたい。
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B1 Zinc White おすすめ度 ★★★★★
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1991年9月のシングル「夏色物語」
(カップリングは「黄昏を追い抜いて」の別バージョン)
を経てリリースされたメジャー初のベスト盤。
過去の3作から満遍ない選曲で
最後に「サイレント・イヴ」で締める。
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これまでのアルバムに含まれていない曲として、
先行シングル「夏色物語」と「草原のささやき」「Snow Parade」がある。
「草原のささやき」はサビのメロディ展開が
個人的に好きなパターンの佳曲。
「夏色物語」は辛島美登里らしい
短調ベースの和風バラードだ。
「Snow Parade」はポップな展開で
気持ちも暖かくなるようなナンバーで、
3曲とも聞き所満載だ。
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弾き語りバージョンの「サイレン卜・イヴ」や
ミディアムテンポ版の「黄昏を追い抜いて」も要チェックだ。
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04 Birthday おすすめ度 ★★★★★
②ワンダー・ビーナス
③レイニー・デイ
④See You Again
⑤Caribbean Blue☆
⑥一人ではいられない
(短調突っ走り系)
⑦ラプソディ・ラプソディ
⑧星とワインとあなた☆
(ボサノヴァ)
⑨幻☆
⑩夕映え(シングル)
☆は「敢えて3曲挙げるなら」選曲
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1992年2月にシングル「夕映え」をリリース。
そのカップリング曲をタイトル曲として翌月リリースの4作目。
バラエティに富んだ佳曲が並ぶ好アルバムだ。
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タイトル曲「Birthday」でおだやかに幕開け。
中坊時代はおとなな曲過ぎてピンと来なかった。
どうやらHAPPYな歌ではないらしいと気づいたのは成人後。
一転して艶やかな「ワンダー・ビーナス」は
辛島美登里ならではのどこか品のある華やかさ。
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オーケストラの印象的な前奏で始まる
「レイニー・デイ」は前半のマイナー主体から
サビからメジャーコード主体になる流れは
「笑顔を探して」の王道パターンで、
雨降りから晴れ上がる様子が表現されている感じの佳曲。
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「See You Again」は8ビートのサビが印象的で、
タイトルとは裏腹な明るい別れの曲だが、
個人的には冒頭のコーラスは男性でない方がよかったように思う。
しかし、サビのメロディも秀逸であり、佳曲なのは間違いなし。
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同じくサビのメロディがキャッチーな「Caribbean Blue」は
サックスの音色が懐かしい雰囲気を醸し出し、
様々に展開するアレンジも楽しい。
エンヤの「Caribbean Blue」もいいけど、
こっちもやっぱりいい。
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サビ付近のストリングスラインが素敵。
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軽快な短調の「ラプソディ・ラプソディ」も
間奏がスローになったりのアレンジの凝りよう。
「部屋とYシャツと私」なタイトルの「星とワインとあなた」は
ボサノヴァ調の落ち着いたミディアムな曲調から
メロディアスなサビへの展開が見事。
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ファン人気の高い「幻」はなんといっても
叫びのようなサビのメロディに尽きる。
前奏のピアノの怪しげな展開と
控えめな前半のメロディからの
ボーカルでクライマックスに持っていく様は圧巻だ。
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最後はシングル曲「夕映え」。
スケールある包み込むような展開は
最後の曲にぴったりで、こどもコーラスもしっくり合っている。
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ituneでアルバムの原曲はあまり扱っておらず、
有名な曲はあまりないかも知れないが
全曲が実力派の楽曲として聞き所が必ず存在する。
ますますソングライティングの魅力が詰まったアルバムだ。
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おすすめ楽曲を敢えて3曲選ぶなら...
09 幻
08 星とワインとあなた
05 Caribbean Blue
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