おとなな女性シンガーソングライター、辛島美登里。
スマッシュヒットとなった「愛すること」を含む
実力派ならではの歩みを見せる1996年の作品をレビューしよう。
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08 恋愛事情 ~reasons of love~ おすすめ度 ★★★★★
②プロミス・タワー☆
(辛島ポップ)
③くちづけは永遠に終わらない
(シングル・短調疾走系)
④Be with you☆
⑤愛すること☆(シングル)
⑥Woman(カップリング)
⑦彼女の雨
⑧星に願いを(カップリング)
⑨哀しみのDestiny
⑩Bouquet
☆は「敢えて3曲挙げるなら」選曲
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前作からほぼ1年で1996年にリリースされた8枚目。
シングル曲は前述の「愛すること」、
(カップリング「明日へのターン」はアルバム未収録曲)
「くちづけは永遠に終わらない」
(カップリング「星に願いを」は本作収録)
の2曲が含まれている。
「明日へのターン」も辛島美登里らしい主張感のある旋律できっちり入手したい曲。
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朝もやの中で誓いを立てるような幻想的でありながら、
鳥のさえずりのようなサビでのリフが印象的な「Friends」で幕を開ける。
「辛島ポップ」という言葉を思わず連想せずにいられない
澄んでいるんだけどポップな「プロミス・タワー」では
サビの2回繰り返す間のストリングスの低音が素敵だ。
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これもまた辛島名物、短調疾走系ソング「くちづけは永遠に終わらない」。
「Purple Sights」「黄昏を追い抜いて」に比べると中毒性は控えめ。
一転して落ち着いた雰囲気の「Be with you」は
サビ部分のロングトーンの音階進行がクセになる。
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そして、本作の代表曲であるNHKドラマ「ラスト・ラブ」の主題歌になった「愛すること」。
葉月里緒奈、仲村トオルらが出演していたが、
辛島美登里自身もシンガー役として出演したことでも話題になった。
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前作の「Half and Half」のような雰囲気の「Woman」、
ループするようなピアノかシーケンサーの旋律が躍るさりげない「彼女の雨」は
アルバム中盤だからこそ存在感を発揮する。
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「星に願いを」はバラードだが、メキメキした主張というより、
これもそっと添い遂げるような清涼感がある。
「哀しみのDestiny」はここも短調突っ走り気味の楽曲で、
アルバム終盤に色を添える。
最後を飾る「Bouquet」はピアノバラード。
Bメロの展開が幻想的でロングトーンが映える大人な楽曲。
後半は映画音楽のような盛り上がりを見せる。
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キャッチーな楽曲と、じっくりさりげない幻想的な楽曲が
バランスよく盛り込まれており、まさに、
おとななアルバムと言ってよいアルバムだ。
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おすすめ楽曲を敢えて3曲挙げるなら…
05 愛すること
02 プロミス・タワー
04 Be with you
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辛島美登里を集める・バックナンバー
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