おとななデュオ、チャゲアス。
最盛期にリリースの2枚セットのアルバムの2枚目から、
世紀末にかけての彼らの足跡を振り返ってみよう。
(2024年10月3日更新)
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18 Code Name.2 Sister Moon おすすめ度 ★★★★★
☆は「敢えて3曲挙げるなら」選曲
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二部作の前作から、先行シングル「river」
(カップリングは「NとLの野球帽」)を経て
1996年4月にリリース。
このシングルとカップリングはもちろん、
前作までのシングル「on your mark」や
シングル「めぐり逢い」のカップリング「濡れた夢」も収録されている。
ポニー・キャニオン最後のアルバムとなり、
チャゲアスとしてその時代の一区切りになるような
そんなアルバムでもある。
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軽快なロックナンバー「もうすぐだ」で幕を開ける。
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一転して教科書的に進行する「青春の鼓動」は聴きやすく、
CHAGEコーラスとの掛け合いも楽しい。
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そのCHAGEとの合作「Sea of Gray」はある意味チャゲアスらしい
混沌とした中に力強さを秘めたロック。
後奏が織り成す風景が灰色の海にぴったりだ。
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シングル曲「river」はタイトルが頭文字を大文字にせず
柔らかで雄大な川をイメージさせる。
タイトルと曲想がマッチする。
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タイトル通りのイメージのCHAGEワールド全開曲。
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マイナーロックの「I'm a singer」も
CHAGEらしいメロディラインのサビ。
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CHAGEゾーンの間に割って入るのはASKAの「One Day」。
サビのフレーズが印象的で、マイナー調楽曲が並ぶなかで
アルバムにスパイスを与えている。
https://music.apple.com/jp/album/one-day/414805948?i=414805960&uo=4&at=10l8JW&ct=hatenablog
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「ピクニック」は「今日は楽しいピクニックだね」という牧歌的な歌詞が
CHAGEの魔力でなんとも不思議なオーラをまとっている。
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「港に潜んだ潜水艇」はCHAGE曲のASKAボーカルのロックで、
サビのメロディ自体はAORな雰囲気もある。
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続く「NとLの野球帽」。
福岡出身で1969年当時なので当然西鉄ライオンズのことだろう。
歌詞の内容、曲調とも、
哀愁を感じさせ、大人であればこそ染みる。
高校生当時はよくわかりませんでした。
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「好きになる」はASKAのねっとり感が前面に出ており、
ふわふわしたAメロの雰囲気から
サビの安定感のあるメロディへの展開が秀逸。
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最後を飾る「On Your Mark」は2枚セットの作品を締め括るに
ふさわしい壮大な佳曲。
残念ながら、チャゲアスはこの曲を最後に小休止に入ってしまう。
その意味でも感慨深い曲。
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個人的にはBメロの「君と僕 並んで」の
「な」→「ら」の音に7度に展開するのがお気に入りだ。
カラオケで誰かがこの曲を歌っているのを聞くと
8度でなく5度でもなく7度というのを
歌い分けられているかどうかに
着目してしまう病気の人、いるかなあ?
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最後の「そして、ぼくらは...」が
今後のチャゲアスを暗示してるようなところがなんとも...
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オススメ楽曲を敢えて3曲挙げるなら…
( シングル曲は敢えて省きます)
10 NとLの野球帽
11 好きになる
03 Sea of Gray
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19 no doubt おすすめ度 ★★★★☆
☆は「敢えて3曲挙げるなら」選曲
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しれっと連続で記載しているが、
前作後にチャゲアスはそれぞれのソロ活動に勤しみ
シングルも含め休止状態となる。
約3年の時を経て1999年3月に
シングル「この愛のために/ VISION」を発表。
6月に先行シングル「群れ」(カップリングは「swear」)を経て
満を持して1999年8月にリリース。
すなわち20世紀最後のアルバムとなる。
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タイトル曲「no doubt」は混沌としたAメロから
スケール感のあるサビに繋がる
チャゲアス後期の魅力溢れる佳曲。
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続く「the corner」もAORな爽やかさを残す。
CHAGEの「swear」は前半の怪しげ展開と
どことなくビートルズの「ヘイジュード」を思わせる
サビの展開の対比が面白い。
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続く「僕がここに来る前に」は柔らかな
ASKAボーカルだからこそ映えるバラード。
使用音域が狭いのでカラオケで歌いやすいかと思いきや
独特の世界観を出すのが難しいだろう。
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CHAGE独唱となる「熱帯魚」も同じような
フワフワした雰囲気を醸し出す。
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「higher ground」は悩めるASKAを感じさせる
ベースと叫びのようなボーカルがインパクト大だ。
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サビのコーラスワーク部分へと様々に展開を見せる。
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先行シングル「群れ」も決してこれまでの
甘いASKA路線ポップではなく
厳かに進行するソウル路線で
ASKAのボーカルもハスキーになる。
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2000年を意識した「もうすぐ僕らは
ふたつの時代を超える恋になる」に続いて、
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シングルの両面の「vision」、「この愛のために」で締める。
この2曲にしたって、やはりこれまでのチャゲアスとは一線を画す。
キャッチーさは鳴りを潜め、
「この愛のために」のサビでようやくホッとできるが、
やはりハスキーASKA路線の楽曲だ。
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そんなわけで、code name二部作から徐々に路線変更しつつあるのを
より確定的にしたようなアルバムだ。
チャゲアスをこれまでのようなイメージで
スケールあるメロディの青いイメージで聴くと面食らう。
好き嫌いが分かれそうな作品だ。
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オススメ楽曲を敢えて3曲挙げるなら…
01 no doubt
04 僕がここに来る前に
08 群れ
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チャゲアスのあれこれプレイリスト
全作品から選んだ! チャゲアスのファン歴別名曲選 - おとなの自由研究
46分テープに入るチャゲアスベストを考える - おとなの自由研究
チャゲアスCHAGEの素敵バラード17曲 - おとなの自由研究
甘美なASKAボーカルを堪能できるチャゲアスバラード16曲 - おとなの自由研究
夏は懐かしい初期のチャゲアスロック12曲 - おとなの自由研究
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チャゲアスの隠れた名曲バックナンバー
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チャゲアスの全アルバムレビュー
⑦TURNING POINT・⑧MIX BLOOD・snow mail 他
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