大人なバンド、スターダスト☆レビュー。
5人でやってきたこれまでから三谷泰弘氏が脱退して
新生スタレビとなる過渡期のアルバムを振り返ってみよう
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11 楽団 おすすめ度 ★★★★☆
②素敵なたくらみ
(三谷作曲・平松愛理ゲスト)
③Let's Call It "Love"(三谷作曲)
④恋人のままで 〜Autumn Love〜
(隠れた名バラード)☆
⑤Over The Rainbow
⑥Triangle Love
⑦クレイジー・ラブ
(柿沼作曲・シングル)
⑧The Best Of My Life☆
⑨横顔(柿沼作曲)
⑩Candle On The Water
(三谷作曲・Vo)
☆は「敢えて3曲挙げるなら」選曲
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前作「SOLA」から1年2ヶ月ぶりとなる
1994年5月発売の11thアルバム。
先行シングル「クレイジー・ラブ」を引っ提げている。
(なお、カップリングは「Two Kitchens-ふたつの情景」でアルバム未収録だが
後に「アップフロントイヤーズ・カップリングコレクション」で
配信されるので安心。
これも三谷氏のおしゃれポップ。)
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作曲・編曲やアルバム毎に数曲のボーカルをこれまで担当してきた
三谷泰弘氏がスタレビの一員として存在する最後のアルバムとなる。
これによって、本作のジャケットは5人が落下傘に舞っている様子であるが、
次回作「艶」からは4名のシルエットとなる。
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オープニングはスタレビらしいスケール感のある「夢の翼」で
今作も爽やかに幕を開ける。
爽快感がいきなりマックスになる。
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大江千里を思わせるような畳み掛けるサビが印象的な「素敵なたくらみ」では
ゲストに平松愛理が2コーラス目で突然ボーカルに登場する。
(なお、代わりに平松愛理のアルバム「一夜一世に夢見頃」の
「帰り道でチャオ」では根本要氏が入っている)
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ソウルフルな三谷氏作曲の「Let's Call it Love」は
アダルトなテイストでBメロ以後に三谷氏もボーカルインする。
ファルセット多用しコーラスワークも巧みなサビが聴きどころだ。
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久々のスタレビの壮大なバラード「恋人のままで」で前半を締める。
サビメロは一聴では記憶に留まりにくいだろうが、
締めのメロディがありそうでなかった進行でツボだ。
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ポップな弾むようなメロディが印象的な「Over The Rainbow」では
都会的なシティポップでコーラスワークと
ピアノのフレーズ、凝った間奏部分がイカす。
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アルバムは後半戦に入り、
また一つの80年代ポップとも言えるエレキギターが咽び
サビメロがまさに三角形を描くような「Triangle Love」は
やはりコーラスワークが印象的だ。
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サザンのような波を感じさせるサビメロの
シングル「クレイジー・ラブ」では、
80年代の勢いとスピード感にハマりたい。
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後期のスタレビらしい正統派ポップな
「The Best Of My Life」はAメロから包容感のあるメロディで
さっくりサビに入る構成とコーラスフレーズも面白い
アルバム全体をある意味総括するような佳曲だ。
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木蓮の涙の系譜であろう和風ポップ「横顔」は
短調ながら覚えやすいメロディが特徴的だ。
こういう楽曲こそボーカルの力量が問われるだろうが、
敢えて淡々と歌っているようにも聴こえる。
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最後はアレンジで多彩な仕掛けを込めた
「Candle On The Water」で三谷氏を送別する形で終える。
一つの「楽団」としてのスタレビのエンディングだ。
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最初はあまりピンと来なくても
何度も聴き込むとじわじわ良さがわかる
スルメ楽曲が多いアルバム。
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オススメ楽曲を敢えて3曲挙げるなら…
01 夢の翼
04 恋人のままで ~Autumn Love~
08 The Best Of My Life
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B3 LOVE SONGS おすすめ度 ★★★★★
三谷氏がいた頃のスタレビの総決算のベストアルバムとして
1994年11月にリリース。
スタレビの歴史上最高セールスのCDであり、
特にライトなファン受けする選曲で構成されている。
初めてスタレビを聴く人がとりあえずとしてよいアルバムだろう。
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ではコレクター視点ではどうか?
これはなんといっても1曲目の「夜更けのリフ」に集約される。
サビの半音進行するコード進行が
癖になる人にはセクシーでたまらない。
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また、後半に収録される「上を向いて歩こう」
スタレビのオリジナル曲にこだわるならばあれだが、
スタレビのアカペラ代表曲とも言えるため、
「Charming」を持ってなければ買いだろう。
もちろん最近は1曲単位で購入も可能だから
「Charming」を持っていれば
「夜更けのリフ」のみ購入もありだ。
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12 艶 おすすめ度 ★★★★★
②HELP ME
③空がこんなに青いはずがない
④もっとそばに来て☆
⑤この胸で泣けばいい
⑥ふたり(柿沼作曲・シングル)☆
⑦My Love, Up Town Girl(柿沼作曲)
⑧WHAT A WONDERFUL NIGHT
⑨気がつけば君のこと
⑩歳月の果てに
⑪光の中へ(隠れた名バラード)
☆は「敢えて3曲挙げるなら」選曲
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三谷氏脱退を経て4人になって最初のアルバムとして1995年5月にリリース。
スタレビのアルバムとしては珍しく11曲収録となる所も
本作に向けての意気込みが感じられると言えるかもしれない。
その甲斐もあってか、セールス的にはスタレビのオリジナルアルバムの中で
もっとも売れたアルバムということになる。
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前作のスルメとは異なり初めて聞いた時から耳に残りやすい
よい意味で勢いのあるまさに青い「艶」のある佳曲が揃っている。
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1曲目「Keep on Rollin'」はやっぱりこれぞスタレビ根本要と
言わんばかりのロケンロール。
もうこれで気分はアゲアゲだ。
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「Help me」も陽気なテンションの
勢いのある楽曲だ。
中間部のジャジーな間奏部もカッチョいい。
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「空がこんなに青いはずがない」も含めて
華やかファンクなナンバーが固められ、
「Brightest!!!」と思わせる展開の前半だ。
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4曲目「もっとそばに来て」も
イントロからグルーヴ感に富んだコーラスで、
弾むようなサビのメロディが楽しい佳曲。
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続く「この胸で泣けばいい」にしたって
ベースラインとブラスセクションの動きが印象的な
シングルカットされてもよいような売れ筋ナンバー。
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そこに続くのが先行シングル「ふたり」という
まさに欲張り定食感のあるアルバム構成。
シカゴを思わせるイントロから始まる
壮大なラブバラードでアゲアゲテンションを一休み。
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なお、「ふたり」カップリングの「GLASS OF THE WHISKY」は
配信限定のアップフロントイヤーズカップリングコレクションに収録されている。
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続く7曲目「My Love, Up Town Girl」は
柿沼氏のソロ曲で素直なボーカルが清々しい。
幻想的なAメロに、懐かしい雰囲気のサビがホッとする。
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「What A Wonderful Night」では
ボーカルを交代しながら再度明るく陽気に進行する。
ライブで聴いても添田さんや岡崎さんの歌も聴ける楽しい曲ですよね。
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「気がつけば君のこと」はこのアルバムの中では
比較的落ち着いたボサノバ調で
ここまでのアゲアゲテンションを落ち着かせ、
アルバム後半の展開に持ってくる。
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魂の叫びのような「歳月の果てに」では
サビメロがまさに洋楽な短調曲。
1コーラスごとに盛り上げ方も違うのがにくい。
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最後を飾る「光の中へ」は
ストリングスと根本要のボーカルが調和して
聞き惚れてしまう隠れた名バラードだ。
幕引きにふさわしい楽曲と言えよう。
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比較的キャッチーで艶のある佳曲が満載で、
後半にかけてはおとなな展開を見せる、
今後のスタレビの方向性を感じさせるアルバムだ。
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オススメ楽曲を敢えて3曲挙げるなら…
06 ふたり
01 KEEP ME ROLLIN'
04 もっとそばに来て
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13 Ladies & Gentlemen おすすめ度 ★★★★☆
②RUNNING
③涙
④I Believe In Love
⑤くちづけ(柿沼作曲・Vo)
⑥会えないよ(シングル)
⑦BABY,とりあえずもっと
⑧言えなかった言葉(林Vo)☆
⑨蜃気楼(柿沼作曲)
⑩Get Up My Soul(シングル)☆
⑪BEATに愛を込めて(Reprise)
⑫Feel me, See me, Hold me
(GeNTLe BReeZe、慈恩礼音作曲)
☆は「敢えて3曲挙げるなら」選曲
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前作からは約1年、1996年7月に発売される、
そう呼ばれているかはともかく「&アルバムシリーズ」の第一作。
この間にシングル「会えないよ」
「Get Up My Soul」をリリースしているが
2曲とも本作に入っており、カップリングはいずれも
アップフロントイヤーズカップリングコレクションに収録される。
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「BEATに愛を込めて」は冒頭曲にふさわしく、
勢いのあるロックというだけでなく
途中で様々な展開を見せる。
ピアノのフレーズとブラスの絡みに、
コーラスも重なるサウンドは
この1曲でお腹いっぱいになりそうだ。
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「RUNNING」もその勢いにのっかって
シンセのフレーズが印象に残り、走り続ける。
ライブでも効果的に演奏されているが、
阪神の下柳剛投手の登板時のテーマ曲でもあった。
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バラードの「涙」のサウンドも分厚く展開し、
他のバラードとは異色の展開で、
締めのメロディがカッコいい。
中盤ではアカペラ技巧も聴かせる贅沢さ。
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コーラスでのグルーヴ感としては
次のラテンナンバー「I Believe in Love」で
今度はラテンに乗って陽気に絡んでくる。
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ボリュームたっぷりの前半戦から
柿沼氏の「くちづけ」で耳的にようやく一休み。
シンプルなサウンドだがメロウな説得力を持つ。
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シングルになった「会えないよ」も
より繊細にメロディアスに訴えかけてくる。
ムーンライト・セレナーデ風のAメロから
すぐにサビに繋がるのが味噌だ。
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メロウなのはこの2曲でおしまい、と
言わんばかりに「BABY,とりあえずもっと」
引き続きとりあえずもっとブラスが暴れだす。
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VOH林氏の「言えなかった言葉」は
ジャジーだがサビのメロディは最高にポップ。
グッと転調してるのが良いんですね。
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アルバムは最後の一押しのように
80年代の疾走感のある「蜃気楼」が続く。
これはこれで色合いとして素敵だ。
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洋楽を思わせるサウンドの「Get Up My Soul」は
街で昔BGMで流れてたりしてたような
親近感のある展開でイカしている。
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1曲目のライブ録りのフレーズを挟んで
田村直美とともに歌う「Feel me, See me, Hold me」で締める。
いわゆるレベッカ調のイケイケなテンポで展開し、
要氏と歌もセリフも複雑にかけあって
爽快な感じがフェス感のある楽曲だ。
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随所にピアノの旋律が目立つのは
光田氏の影響も関係しているか、
とにかくサウンドが分厚くなったアルバムだ。
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オススメ楽曲を敢えて3曲挙げるなら…
01 BEATに愛を込めて
08 言えなかった言葉
10 Get Up My Soul
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スタレビあれこれプレイリスト
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スタレビの秋に泣ける隠れた名バラード24曲(後半戦) - おとなの自由研究
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スタレビ根本要以外がボーカル曲のおすすめはこれ! - おとなの自由研究
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スタレビ全アルバムレビュー
①STARDUST REVUE・②今宵はモダンボーイ 他~夢伝説
⑤NIGHT SONGS・⑥RENDEZ-VOUS・⑦IN THE SUN, IN THE SHADE 他~BE MY LADY
⑧ONE & MILLIONS・⑨Brightest!!! 他~追憶
⑪楽団・⑫艶・⑬LADYS & GENTLEMEN 他~ふたり
⑭GOOD TIMES & BAD TIMES・⑮MOODY BLUES 他~愛してるの続き
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スタレビ 隠れた名曲探しバックナンバー
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