大人なバンド、スタレビのアルバム。
いよいよ初期の総決算といってもよい時期の作品を見てみよう。
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B3 Best Wishes おすすめ度 ★★★★★
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1989年の名盤「In the sun, in the shade」から1年弱。
シングル「Lonely Snow Bird」
「君のキャトル・ヴァン・デイズ」を経て
1990年5月にリリースされた
初のシングル・ベスト盤。
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シングル・ベストというと、
多くのアーティストの場合、
ほぼ代表曲が中心となり、
オリジナルアルバムをすべて揃えているなら
実は不要、ということが多い。
ところが、シングル曲がなぜか
オリジナルアルバムに入らない!
ことの多いスタレビの場合、
シングルコレクションはコレクター必携と言える。
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ざっと曲目を並べてみても
2曲目「銀座ネオン・パラダイス」と
先ほど挙げた先行シングル2曲は
当然のことながらアルバム初収録で、
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4曲目「トワイライト・アヴェニュー」
5曲目「夢伝説」といったスタレビ代表曲も
実はオリジナルアルバムには未収録なのだ。
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さらに、1枚目の7曲目「Single Night」、
2枚目の1曲目「もう一度ハーバーライト」、
2曲目「心の中のFollow Wind」、
4曲目「メビウスの瞳」も
「SUPER DONUTS」には入ってるものの、
やはりオリジナルアルバムには未収録。
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つまりオリジナルアルバムを全部揃えてるが
ベスト盤は持っていない! というファンは、
まず揃えておきたいアルバム、ということになる。
もちろんライトなファンにも
初期の代表曲が網羅されておりおススメだ。
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08 ONE & MILLIONS おすすめ度 ★★★★☆
☆は「敢えて3曲挙げるなら」選曲
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初のシングル・ベスト盤から5か月後、
先行シングル「君のすべてが悲しい」を引っ提げてリリース。
オリコンでも最高順位2位を記録しているアルバム。
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名盤「In The Sun, In The Shade」では
アルバムジャケットが残念と書いたが、
本作は今となっては懐かしい
電話ボックスをあしらっており、比較的洗練されている。
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電話ボックスの外は夜の風景であるが、
本作も「Night Songs」同様に
夜を思わせる楽曲が多い。
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2曲目「Cruising Night」、6曲目「星空のアリーナ」、
7曲目「カーニバルの夜」は
タイトルからしてもちろんのこと
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先行シングルの4曲目「君のすべてが悲しい」も
1980年代のカフェバーチックな色合いだ。
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一方で、前半3曲「All I Do」「Crusing Night」
「Bad, Bad Boys」と
5曲目「When We Dance...」は
メロディのリズム構成が印象的で、
アレンジも聴けば聴くほど細かい芸当の曲達が並ぶ。
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テクニカルな印象の前半5曲と
後半6曲は色合いが異なって楽しめ、
あたかもコンサートを6曲目で終え、
7曲目はコンサートの帰り路、
そして8曲目から「季節を超えて」
「10月のパノラマ」
「蒼ざめた週末」
「コバルト色の午後」と
タイトルだけを見ても黄昏な
切ない曲が続き、
アルバムジャケットと一体化する。
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特に「季節を超えて」「10月のパノラマ」の
壮大な2曲には心が洗われる。
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さて、コレクターとしての情報だが、
「In The Sun, In The Shade」以後のシングルの
「Lonely Snow Bird」「君のキャトル・ヴァン・デイズ」は
シングル・ベスト「Best Wishes」に
それぞれのc/wは「ワーナーイヤーズ・カップリングコレクション」に収録されている。
先行シングル「君のすべてが悲しい」の
c/wは「カーニバルの夜」で本作に収録済なので安心だ。
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オススメ楽曲を敢えて3曲挙げるなら…
08 季節を超えて
09 10月のパノラマ
01 All I Do
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09 Brightest!!! おすすめ度 ★★★★★
☆は「敢えて3曲挙げるなら」選曲
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前作から約1年、いよいよ世の中が
CD販売絶好調になる1991年11月にリリースされた。
前作以後、シングル「こしゃくなレディ」
(なんとc/wは「夜更けのリフ」!)
「瞳の中の天国」(c/w「Desitiny」は本作収録)
が発売されたが、
「こしゃくなレディ」とそのc/w「夜更けのリフ」は
やはり本アルバム未収録だ。
それぞれ後に発売されるベスト盤や
シングル・ベストには収録されるので安心。
また、本アルバムの代表曲の「追憶」
(c/wは「上を向いて歩こう」)は
後にシングルカットされる。
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まずは絶対ライブで盛り上がる1曲目の
「Goin' Back To 1981」を挙げたい。
今ももちろん昔だが、発売当時でも
10年前の1981年を彷彿とさせる
スタレビらしい勢いのある曲で幕開けだ。
この曲を聴くためにこのCDをデッキに入れる、
という時があっても不思議でないくらい
気持ちがアップする。
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続くのが2曲目のクリスマスソングの
「Sweet Snow Magic」。
クリスマスらしく軽快なステップを
踏んでしまいそうになる。
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三谷ボーカルの3曲目「Tell Me Now!」と
実に華やかなBrightest!な楽曲が続く。
カフェバーチックな4曲目「彷徨い」に続く、
5曲目の先行シングル「瞳の中の天国」は
ミディアムポップで爽やかな風を
感じさせるメロディーの佳曲。
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個性的なメロディの「Blue Fashion Street」に、
どこか竹内まりや的な郷愁を感じさせる
やはりミディアムポップの「9月の海」に続くのが
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本アルバムの大黒柱であり、
キャプテンの「追憶」だ。
個人的には学生時代に
アカペラバンドで歌った思い出の曲で、
Bメロの音階が上がっていくところの
コード感がツボ過ぎる。
アルバム全体の空気感を
一気に変えるほどの存在感を放っている。
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その後、アルバムは再びBrightestなテイストを残す
9曲目「Celebrate」、10曲目「Destiny」で幕を閉じる。
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ちょうど世の中がCDが大量に
購入されるようになった時代に、
タイトル通りBrightest!なアルバムで、
すごくキラキラしたアルバム。おすすめだ。
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オススメ楽曲を敢えて3曲挙げるなら…
08 追憶
01 Goin' Back To 1981
05 瞳の中の天国
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スタレビ全アルバムレビュー
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スタレビ 隠れた名曲探求シリーズ
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